いつか

2017/05/25

*古いブログから(2012/11/05)

郷里から遠く離れたこの土地に住んでもう20年が過ぎた。当初の予定では2〜3年で故郷に帰るはずだったのに…。
ずっと故郷に帰りたくて帰りたくて、でも、いつか必ず帰るのだから、ここでの暮らしは仮住まいなのだ..と、そう思って過ごしてきた。

ところが時間はどんどん過ぎ、最愛の父が逝き、大好きな人もこの世を去り、友人や知人とも徐々に疎遠になり、故郷にはもう会いたいと思える人がいなくなってしまった。
そして、他にもいろんなことがあって、残っている近親者には会いたくない..、近くに住むなんてとんでもない..とも思っている。
気づいてみると、故郷に帰りたいけど、帰りたくなんかない、と相反する両方を思っている自分がいた。

ここでの生活は仮住まいなんかではなく、ここでの生活こそが現実、大切な私の人生だったのだ。生きて行くということは、自分のいる場所にしっかりと足を踏みしめ、そして周囲をしっかりとみつめ、その時その時をきちんと過ごすということ..なんだということが、この年になってようやくわかった。

いつか…なんて、ぼんやりと先をみつめていても意味はない。
大切なのは今。何かをいつかきっと実現させたいと思うなら、今この時にそれに向かってしっかりと何かを実行しなければいけない。指をくわえて「いつかきっと」なんて思っていたって、何にも変わりはしないのだ。

そんな当たり前のことに、今頃気づくなんて…私はつくづくバカだ。


Wall Cat / The Marmot

ホントに・・・若い頃になんとなく漠然と想い描いていた自分の未来なんて、何ひとつ現実にはならなかったなぁ。
この年でこんな体たらくだなんて、いったいなんということでしょう。(←若干棒読み)