リーディングリストが残っていた

2017/06/26
夫を亡くしてから一年以上、私は毎日ただ夜寝る時間が来るのを待っているだけのような、そんな虚無的な日々を過ごした。
それがこの春先からようやく、PCの古いデータ整理を始め、OSもアップデート、気持ちもPCもリセットしてこのブログを始めた。

とりあえず、「生きているうちに自分の持ち物を始末してしまわなければいけない」→「お金がないからそれらのものはヤフオクで売らねば」→「それにはまずPCを整理」...というまどろっこしい発想なのです。

最近は、夫のがんについても記事にできるようになり、私もずいぶん立ち直ったもんだ..と自分で思っていた。

PCの古いデータを整理したということは、つまり夫にまつわるもの(思い出させるもの)がこのPCからなくなったということ。
ブラウザのブックマークも古い必要のないものはすっかり始末してから、それをOSの再インストール後にインポートした。
だけど、そのブックマークデータの中に、古いリーディングリストが含まれているということを私は知らなかった。

4〜5日前に閲覧したウェブサイトをもう一度みたかったが、ブックマークしていなかったので、もしやとリーデングリストを開いてみた。そしたらそこには私がここ数年リーデイングリストに入れたものがズラズラ並んでいた。
夫のためにぐぐった料理のレシピ、がんについてのいろいろ、帰国前の引っ越し準備で必要だったこと、帰国後に必要だった諸手続きのこと、などなど...、私がネットで調べた様々なことが並んでいて、それはそのままここ数年私の身の上に起こっていたことを思い出させるものだった。
そのリーディングリストをスクロールしながら眺めて、、、私は「あぁ...」と両手で顔を覆った。しばし動くことができなかった。ダメだ、まだ立ち直れてない。。

でもね、こうしてすぐにそのことを記事にできるくらいだから大丈夫、深刻に落ち込んでいるわけではない。でも、リーディングリストに何があったか、この記事のためにもう一度開いて確認する気にはやはりなれないけど。。


生前の夫とやり取りしたメッセージや、夫が他の人と交わしたLineやSNSを、夫のスマホから取り出して保存してあるが、私はまだそれを読むことができないでいる。これをちゃんと読むことができたら、その時が私が本当に立ち直ったときなのかもしれない。



The cat next door / Pierre-Selim

私はつらいことを乗り越えているというより、やはり目をそらしているだけなのかもしれない。
でも、とても落ち込んでいたときに猫がいてくれて本当に救われた。
もし猫がいなくて全くのひとりぼっちだったら、毎朝布団から出ることも億劫だったと思うし、もしかしたら生きていることも困難だったんじゃないかな。