新聞記事から(備忘録)

2020/03/11
知人から送られてきた「感染症」についての新聞記事が興味深かったので、書き留めておく。なんだか海馬が衰えてるらしくて...この頃すぐ忘れてしまうのよ。。

*以下の記事は、この新聞記事(↓)から抜粋、自分用にまとめたものです。
- - -《朝日新聞(3/11)から》- - -
「感染症と社会 目指すべきは共存」
 (山本太郎・長崎大熱帯医学研究所教授に聞く)


□感染症と人間社会
 これまで文明は「感染症のゆりかご」として機能してきた。

 農耕以前の狩猟採集時代には、感染症の大半は存在していなかった。
が、農耕が本格化し、人口が増え、数十万規模の都市が成立して、埋蔵した穀物を狙うネズミがペストを持ち込んだり、または、家畜による動物由来の感染症が増えた。

 多くの感染症を抱えている文明とそうではない文明を比較すると、感染症を抱えている方がずっと強靭である。
かつて、インカ帝国が200人足らずのスペイン人によって滅ぼされた原因は、スペイン人がユーラシア大陸から持ち込んだ感染症への免疫を新大陸のインカ人が持っていなかったからである。


□天然痘
 人類は天然痘を撲滅したが、そのせいで現代人は天然痘への免疫も持ち合わせていない。
過去に生物兵器として天然痘ウィルスを量産したり、今でも天然痘ウィルスを持っている国家は存在する。また天然痘ウィルスは人工的に合成することができる。


□感染症の治療
 抗生物質や様々な治療手段を行うことで治癒に至らせることができる場合もあるが、抗生物質を使用することによって、病原菌を抗生物質の効かない耐性菌へと変化させてしまう可能性もある。


□感染症の弱毒化
 感染症の多くは、人間の間に広まることによって潜伏期間が長期化し、弱毒化する傾向がある。
宿主である人間が死なずに存在し続ければ、病原体であるウィルスや細菌も存在し続けることができるわけであり、病原体の方も人間との共生を目指す方向に進化するのである。
よって、感染症については「撲滅」よりも「共生」「共存」を目指す方が望ましい。
(とはいえ、医師は目の前の患者を救うためにあらゆる手段を用いようとする。ここに医師としての葛藤やジレンマがある)


□新型コロナウィルス
 世界中に広がっていく中で弱毒化が進み、長期的には風邪のようなありふれた病気になる可能性もある。その反面、約100年前に流行したスペイン風邪のように強毒化する可能性も否定することはできない。


□今現在行われている拡大予防の措置は有効か?
 最終的にウィルスの拡散を防ぐことができないのあれば、感染拡大を防ぐ努力は無駄なようにも思えるが、徹底した感染防止策をとることによって、感染の速度を遅らせることができる。そうなれば、病原体の弱毒化も期待できる。
感染防止策を施すことによって、病原体が新たな宿主を見つけづらい状況になれば、病原体は「宿主を大切にする」弱毒な病原体の方が有利(存続できる)である。

 集団内で一定以上の割合の人が免疫を獲得すれば流行は終わる。
いま目指すべきは...被害を最小限に抑えつつ、我々人類が集団としての免疫を獲得することである。



- - -【追記】- - -
日本政府がこれまでに行なった措置はゆるくて頼りないものにしか思えなかったが、この新聞記事を読んだら、今の日本の状況はそう間違ってはいないようにも思えてきた。
感染者の8割が重症化しないのであれば、感染の有無を検査することにさほどの意味はない。そして、これだけ感染力の強いウィルスであるから、今日陰性であっても、いつどこで陽性になるか知れたものではない。陽性、もしくは陽性かもしれない患者全員が病院に殺到すれば、医療体制は崩壊する。
医療体制の維持だけは何としても守らねばならない。とすれば、人々の行動を規制をして、ウィルスをジワジワと浸透させている(抑止できないのだから、嫌でもそうなる)今の状況は想定外ではなかったのかもしれない。
「重症化する割合は低いから、検査は必要な人にだけ行い、ウィルスをジワジワと拡散させるよう行動を規制する」なんてこと(大慌てでトイレットペーパーを買いに走るような...)万人に理解させるのは至難の業だ。わからんやつは置き去りのままサッサと実行するしかない。
そんなこんなをわかった上での今現在の状況なのであれば、アベさんはそうあんぽんではないのかもしれない。
少なくとも、検査しまくってアピールしてみせるより、または、今になってパンデミック宣言してる阿呆より、アベさんはマシ上等なんじゃないか...な?


Cat / philip.bitnar
この記事のおかげで、いま自分たちの置かれている状況や、今後のために何をすべきか..とかがわかったような気がする。
感染症もまた人類繁栄の副産物なのね。(やっぱり、こんなに増えたり生きながらえちゃダメなのよ、ヒトもウィルスもどっちも..)
しかし、つまり、あれだな。CHU国は大きなダメージを受けてオオゴトかと思いきや、これからどんどん感染の広まる他国を尻目にしゃあしゃあといの一番に立ち直るんだわね。。そして弱小化するどころかますます強靭になってく...。