薔薇も3年目

2019/05/12
この家に越してから庭のバラの世話を始めた。庭中ボーボーに生い茂った雑草に埋もれていた2本のバラの木は、私にはただの枯れ木にしか見えなかったけど、バラを蘇らせることを目標にでもして過ごそう..と当時の私はそう思った。

元は母方の祖父母の家で、のちに両親が暮らしたこの家の庭にバラがあったことを私は全く知らなかった。
2016年バラだが、引越しを手伝ってくれた姉は、それがかつて祖父が植えたバラであると知っていた。
みつけたときには朽ち果てそうな貧相なバラだったが、レンガで丸く縁取られた花壇は、祖父がバラに手をかけていた証だろう。

姉に言われた通りに、10日に一度肥料を与えていたら、夏になってたった一輪だけ花をつけた。蕾をつけたことに全く気づいていなかったバカな私は、花を見つけて文字通り「目が点」になった。(・・)



そして世話を初めてから3年になる今年のバラ。
2019年バラ

当たり前だけど、とてもバラらしい咲きっぷりだ。冬剪定やたい肥を与えたのがよかったのだろう。今でもそんなに庭いじりが好きなわけではないけど、きれいに咲いてくれるとやっぱり嬉しい。
そして、こんなきれいなバラの存在を、長い間全く知らずにいたことが今更ながら不思議だ。


IMG_9435 / Любо Гаджев
このバラのピンクは、想像していた通りの色だった。祖母はイングリット・バーグマンのような美人だった、と父は言っていた。そして母から聞いた話によると、祖父は祖母に恋をしたがために、不義理をして故郷には帰らず、この地に居着いたのだそうだ。祖母の名は「桃枝」だったから、祖父が選ぶバラはきっと「桃色」だろうと、私はそう思った。勝手な思い込みかもしれないけどね。バラが忘れ去られていたのは、両親が庭木に関心がなかったせいだろうが、それにしてもこのバラは逞しい。